静岡市の文化財

お知らせ

2018.02.02文化財資料館第2回企画展「幻の大寺(おおでら) 建穂寺(たきょうじ)」 静岡浅間神社境内の静岡市文化財資料館で「幻の大寺(おおでら) 建穂寺(たきょうじ)」を開催します。

明治新政府の廃仏毀釈と観音堂の火災により幻の寺となった「建穂寺」について、建穂寺観音堂でなければ見ることのできない仏像を公開していきます。

建穂寺は、白鳳時代(654~669)に道昭法師によって開基された真言宗の古寺で、鎌倉時代以後、久能寺とともに駿河文化の中心として大いに栄え、江戸時代には、徳川家康から480石の朱印を受けたと言われています。

明治時代を迎えると、政府による神仏分離の宗教政策(=廃仏毀釈)で建穂寺内の馬鳴大明神、十二社大権現が建穂神社を継承してお寺から独立し、勢いが無くなりました。さらに、明治3年(1870)の火災によって建穂寺はほとんど消失しました。

現在、建穂町内会が中心となり、クラウドファンディングを活用し、文化財である仏像修復を実施するなど、残された多くの仏像等を「地域の宝」として大切に守り伝えていく取組みを続けています。

(市指定)阿弥陀如来像(建穂町内会).JPG

(市指定)阿弥陀如来像(建穂町内会所蔵)

今回の企画展では、かつて建穂寺に納められていた、仏像20体を地元からお借りし、展示します。このうち、県・市指定の有形文化財に登録されている仏像も展示します。

また、建穂寺の仏像だけでなく、仏像を守ってきた地域の人々の活動内容(地域の大切な歴史と文化財を未来に残すためのクラウドファンディング活動 等)、静岡浅間神社とのつながりについても古文書や報告書を用いて説明します。

クラウドファンディング活動に関しては、修復が終了している地蔵菩薩像の展示を通して、活動意義について伝えていくほか、地蔵菩薩の修復過程に出てきた墨書の写真パネルを展示し修理過程についての詳細についても細かく触れていきます。

平成29年10月7日(土)~11月19日(日)に開催した第1回企画展「版画と写真でよみがえる 静岡の原風景」において、建穂寺についてのアンケートを来館者にお願いしたところ、72人の方に協力をいただきました。72人のうち、建穂寺と正しく読めた方は、31人、読めなかった方は36人、回答なしが5人でした。この結果を踏まえて、今回の企画展は建穂寺の名前やその由来についても、来館者の理解を深めていただけるような展示構成になっています。

この企画展を通して文化財が持つ魅力と価値を広く発信し、市民の文化財保護への関心を高めていく好機となることが期待できます。

この機会にぜひ足を運んでみてください。

 

【開催期間】

 平成30年2月3日(土)~3月18日(日)

【主な展示資料】 

静岡県指定有形文化財 不動明王立像(ふどうみょうおうりゅうぞう) 他19点 

【関連イベント】

講 演:「建穂寺観音堂評議委員会の活動について(仮)」

講 師:建穂神社・観音堂評議委員会 委員長 佐藤四郎氏

日 時:2月11日(日・祝)

場 所:静岡市文化財資料館 1階会議室 定員30名

※定員に達したため、募集は締め切りました。

【会場・アクセス】

会  場  静岡市文化財資料館(静岡市葵区宮ヶ崎町102)電話(054)245-3500

アクセス  JR静岡駅前より徒歩25分、バス:安倍線・美和大谷線(乗車10分)、

駿府浪漫バス(乗車25分)で「赤鳥居」下車すぐ

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