歴史博物館建設中
2019.05.01今川氏の木像をとことん調査!②
今回は、東京国立博物館で行った今川義元公像のCTスキャン調査をご紹介します。
義元公像の頭部に何か残されていないか、また木の組み方や修復の有無を確認するため、大型のCTスキャン装置を持つ東京国立博物館学芸研究部保存修復課調査分析室に像を運びました。
【文化財の計測に適した世界最大級のX線CTスキャナー装置】
【左の「大型垂直式Ⅹ線断層撮影装置(Vertical CT)」を使用】
右側は人間ドッグなどで使用する医療用CTに近い形の「大型水平式Ⅹ線断層撮影装置(Horizontal CT)」です。義元公像は大きいため、左側の装置で計測しました。
【像を360°回転しながら、右側のプレートを4段階に上下させて撮影】
【無事臨済寺に帰ってきました】
今年度の複製品製作の大まかな流れは以下のとおりです。
①調査結果をもとに、製作方針を決定
②3D計測データを活用して機械で粗削りをする
③彫刻家の手で彫る(レーザー計測や機械掘削では再現しきれない細部や質感を補う)
④色をつけ、顔や服の模様を描く
⑤完成! → 2021年度から歴史文化施設で展示。調査成果についても紹介します!
今年は、今川復権まつりや臨済寺の特別公開など、義元公像の実物を見られる機会が多く設けられています。また、歴史文化施設のプレ展示『東海の覇者 今川義元と駿府』では、戦国大名としての義元公にスポットを当てる展示を行います。これらの事業にぜひご参加いただき、今川義元公生誕500年を機に今川氏について学んでみてはいかがでしょうか。
・今川復権まつりについてはこちら
・「東海の覇者 今川義元と駿府」展についてはこちら