歴史博物館建設中
2019.04.17家康公の甲冑の復元模造品製作が進んでいます!
以前こちらのブログで紹介しましたが、現在家康公の甲冑二領の復元模造品を製作しています。
「(仮称)静岡市歴史文化施設の展示に向けて、家康公の甲冑を調査しました」←(リンク)
甲冑の製作現場を見てきましたので、写真を交えながら紹介したいと思います。
【静岡浅間神社所蔵の「紅糸威腹巻(くれないいとおどしはらまき)」】
こちらの甲冑は家康公が元服の際、義元公から贈られ、身に着けたものと伝えられています。
「紅糸」という割には紅くないなあ、と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回の復元模造品製作では、当時の製作方法を再現し、使う染料も化学染料ではなく天然の染料「紅花」で
染め上げています。
【紅花で染められた糸。とても鮮やかな色です】
この鮮やかな糸を使って組紐(くみひも)という紐を作り、札(さね)と呼ばれる細長い板を組紐で繋いでいきます。
紅糸威腹巻の黄色に見える部分はもともとこのような色をした組紐が使われていました。
現在の腹巻は遜色していますが、鮮やかな糸を使うことで、
家康が身に着けた当時の姿を見ることができるようになります!
こちらは製作を進めているもう一領の甲冑です。関ケ原の戦いや大坂の陣に携行した吉兆の鎧とされています。
【久能山東照宮所蔵の「伊予札黒糸威胴丸具足(いよざねくろいとおどしどうまるぐそく)」
歯朶具足(しだぐそく)とも呼ばれます】
歯朶具足は籠手(こて)などに鎖が使われています。鎖は全て手編みで作っています!
黒漆を塗る前の脛当(すねあて)です。脛当の丸みは板を叩いて作ります。
こちらは籠手や脛当に使われる金具です。
職人さんからは、「歯朶具足は非常に凝った部品が使われており、家康のこだわりが感じられる」との話もありました!
甲冑が作られる過程を見ると、とても繊細な作業が積み重なって作られていることがよく分かります。
歴史文化施設では、完成したこの二領の甲冑を間近で見ることができるので、
家康公がどのような思いでこれらの甲冑を手にし、身に着けたのか、甲冑を目の前にしながら
思いをめぐらせてみてください。
今後も製作状況について報告していきますので、ご期待ください。