受け継がれてきた民俗文化
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指定無形民俗文化財
ヤマメ祭り

静岡県指定無形民俗文化財
- 指定年月日
- 平成17年11月29日
- 保存団体
- 諏訪神社
- 実施日
- 8月26日、27日
- 会場
- 諏訪神社(葵区田代)
- アクセス
- 市街地から車で約2時間
大井川最上流部に位置する田代の人々は、南アルプスの広大な山々で大規模に焼畑農耕を営んできました。「ヤマメ祭り」は、田代の氏神である諏訪神社例大祭の通称です。
この祭りは、特殊神饌「ヤマメずし」が神に捧げられることで知られています。塩漬けのヤマメに粟をまぶして作るこのヤマメずしは、ナレずしの原初的な製法を今に伝えるものとして注目されてきました。
ヤマメずしの材料となる粟は、今も焼畑で栽培しています。またヤマメも、普段は禁漁区とされる神聖な谷「明神谷」で釣り、その場で「魚釣り祭り」という捕獲儀礼を行います。
焼畑や猟によって生活を営んできた、かつての山村の生活文化を象徴する祭りといえるでしょう。
コラム:井川の雑穀文化
井川は、かつて焼畑がたいへん盛んな地域でした。焼畑の行われなくなった今でも、集落周辺の畑で雑穀が栽培されています。その種類も様々で、ショウガビエ、ケビエ、ネコアシ、コウボウキビ、ホモロコシなど、10種類ほどの雑穀が確認できます。それに伴って雑穀を使った多様な伝統食も受け継がれています。
正月に粟で作るカミノモチや、コウボウキビの焼餅。深みのあるおいしい雑穀食は、稲作文化とは異なるもうひとつの農耕文化が、たしかにこの奥深い山里に息づいていたことを教えてくれます。