静岡市の文化財

受け継がれてきた民俗文化

指定無形民俗文化財

平野の盆踊

静岡県指定無形民俗文化財

指定年月日
昭和53年10月20日
保存団体
平野文化財保存会
実施日
8月14日 ※実施については、事前にご確認ください。
会場
少林院(葵区平野)
アクセス
市街地から車で約45分

有東木と同じ大河内地区内にある平野にも、古風な盆踊りが伝えられています。平野の盆踊も男踊り、女踊り、中踊り、送り出しなどで構成され、有東木と同系統の盆踊りですが、詞章や踊りの所作に少しずつ違いが見られます。また、平野には享保7年(1722)の墨書のある太鼓、近世後期に記された盆踊りに関する帳面や詞章本など、盆踊りの歴史を物語る貴重な史料も残されています。

現在伝承している演目は、男踊り、女踊りともに6演目ずつです。近年は、伝承が危ぶまれていますが、少しずつでも次の世代に受け継いでもらいたいと、保存会メンバーが中心となって後継者の養成に努めています。

コラム:市内の盆踊り伝承

今でこそ、静岡市の伝統的な盆踊りといえば、有東木、平野の盆踊りのみとなってしまいましたが、梅ヶ島や井川でも明治・大正期ころまでは同系統の盆踊りが行われていました。また、大川や清沢でも、有東木、平野とは異なる特徴的な盆踊りが伝えられていたようです。
大川には、甚句系の短い詞章を思いつくままに次々と歌っていく男女入り混じりの輪踊りが伝承されていました。一方、清沢の盆踊りは男女入り混じって輪を作り、口説歌の「志賀団七」を延々と歌い踊って最後に寺か川原へ送り出すという内容だったようです。いずれも昭和初め頃までに途絶えてしまったようで、今では、わずかに詞章本が残っているのみとなってしまいました。

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