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令和5年12月15日 静岡市 観光交流文化局 歴史文化課長

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2021.03.18城づくりの材料に触れてみよう(東御門・巽櫓 展示リニューアル)

展示リニューアルオープンまで、ついにあと半月となりました。展示では「城づくり」が1つのキーワードになっています。
今回は「ゾーン4 大御所家康の駿府城」にある、使用された材料について学べるコーナーをご紹介します。
ゾーン4について詳しくはこちら)。

〈その1〉石垣の石をさわってみよう

静岡市内やその周辺には、駿府城の石垣の石を切り出した石切場があります。場所によって岩石の種類が異なり、色や質感は様々です。
今回の展示では、「発掘情報館きゃっしる」の運営にご協力いただいている文化財サポーターさんに石の加工をお願いし、子どもたちが5種類の石をじっくり見て触れられるようにしました。

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大改修ではどこの石が一番使われているでしょう?コーナー隣の築城クイズで確かめてみてくださいね。


〈その2〉駿府城ならではの材料!鉛のインゴットを持ってみよう

過去に行われた駿府城の本丸堀と二ノ丸堀をつなぐ二ノ丸水路の発掘調査では、水路の内部から鉛の塊(インゴット)が発見されました。

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【静岡市教育委員会1998「駿府城跡Ⅰ(遺物編1)」より】


見た目は「何だろうこれ?」という印象ですが、びっくりするのはその大きさからは想像できない重さです。
なんと縦30㎝ほどの楕円形のもの1つで10㎏以上!

体験では半分の重さの複製品を持つことができ、実際に持つとこの2倍もあるのかと驚くはずです。

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【見た目もそっくりになるよう、実物から取った型に樹脂を入れて形を作り、手作業で細部の微調整や色を付けて仕上げています】

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【裏】

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【中には鉛粒がつまっています】

さらに、近年行われた駿府城の鉛の産地に関する研究では、このインゴットと二ノ丸堀から見つかった青銅製鯱に中国産の鉛が使用されていることが分かっています。当時、秀吉の朝鮮出兵の影響で入手が困難な品だったと考えられ、様々な国との外交ルートを掌握していた家康だからこそ手に入れられた材料と言えます。

インゴットはこれまで鉛の砲弾や鉄砲玉などの材料とされてきましたが、その他、青銅製鯱や文献に書かれている天守の金属瓦に使われていたのかもしれません。

展示では、他にも文献の記録から分かる木材の産地なども紹介しています。日本中を動員し、様々な場所から材料を集めて自らの居城を築いた家康の力を感じてみてくださいね。

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