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文化財ブログ

2021.03.16整理作業 遺物の接合について

文化財ブログでは、整理作業の手順についていくつかご紹介してきましたが、今回は「接合(せつごう)」についてご紹介します。
「接合(せつごう)」とは・・・出土した遺物の破片を洗浄し、種類ごとに分け、より本来の姿に近い状態で残すために破片を付けていく作業のことです。

発掘作業では、土の中から多くの遺物が見つかります。そのほとんどは写真のように割れてバラバラの状態です。

★IMG_4365-1.jpg【見つかった甕(かめ)の破片】

見つかった破片を洗浄し、形を見ながら種類ごとに分けていきます。
接合をする為には、遺物を並べて観察し、可能性のある接点をひとつひとつ探していきます。
全ての破片が出土しているわけではないので、破片が見つからずに空いてしまうところもあります。
接合が可能な破片が見つかったら接着剤でつけていきます。
 

★IMG_4391-1.jpg ★IMG_4386-1.jpg【釘の接合の様子】

この釘の接合は、釘の周りに木片が付着していて、より接点を探すことが難しくなっていましたが、
それでも、いくつかの釘は無事に接合することができました。

★IMG_4382-1.jpg【接合後の釘】

土器や瓦などの土を焼いた遺物の接合には、一般的な接着剤が使用されますが、
金属製品の接合には、接着力の強い「エポキシ系の接着剤」を使用します。
また、周囲で見つかっていない破片があり、接点が少なく空いたスペースができている場合、樹脂や石膏などを使って空いたスペースなどを補強しながらくっつけるやり方もあります。

★IMG_4366-1.jpg ★IMG_4368-1.jpg
【樹脂による瓦の接合】

接合した遺物は、実測し形などの情報を図面に記録します。
接合した遺物は、きゃっしるの展示でも見ることができます。
今後、見学の時は、どこをくっつけているのか?どのようにくっつけているのか?などにも注目してはいかがでしょうか。

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