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2020.07.17「令和元年度 駿府城跡天守台発掘調査の成果」発表!その5

本日は、「令和元年度 駿府城跡天守台発掘調査の成果」発表!その1でお伝えした
今川期の遺構と遺物についてご紹介します。

令和元年度の駿府城跡天守台発掘調査では、今川期の遺構と遺物を確認しました。
遺構は天正期(豊臣方)天守台の下層に残っている可能性があったため、天守台を壊さないように調査用の溝を数か所設けて調査したところ、薬研堀(やげんぼり)と呼ばれる断面がV字状の堀や中国製の磁器などを発見しました。

薬研堀.PNG 【中央の溝が薬研堀】
薬研堀は深さ約1.7m、幅約3mで、南北方向に延びていました。
薬研堀の存在によって、この辺りに何らかの施設があり、堀で区画していたことが分かります。


今川期遺物.JPG 【出土した磁器や甕】
遺物は、中国製の磁器のほか、常滑(とこなめ・現在の愛知県)の甕(かめ)の破片も出土しました。
中国製の磁器は高級品であったため、身分が高い人物や権力を持っていた人物が手に入れることができたものです。

今川期の遺物や遺構は、過去の駿府城公園やその周辺(城内中学校など)の調査でも発見されています。
発見した薬研堀などもそれらと同時期のものであり、今回の調査成果も貴重な発見となりました。

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