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文化財ブログ

2017.12.28現場を守るもの

駿府城跡天守台の発掘現場では、青い部分がたくさん目につくことがあるのではないでしょうか。

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【空よりも青い?】

掘り出された石垣や地面は、雨が降ると崩れやすくなったり、水の染み込みと乾燥の繰り返しで表面が固くなって、土質が悪くなり調査が進みにくくなります。

現場を安全できれいな状態で保存するために、水を通さないシートで覆って雨風などから地表面を守ることはとても大切なことなのです。その作業を「養生(ようじょう)」といい、作業員が丁寧に養生シートをかけています。

何気なく見ている発掘現場ですが、そんなところにも注目してみてください。


12月の最終週に入り、年末年始の少し長いお休みのために、大掛かりな養生の準備をしているところでした。

IMG_0005.JPG【作業を進めながら養生の準備】

養生シートは「ブルーシート」と言われる青いシートを使用していますが、駿府城跡天守台の現場の養生シートの掛け方はなんだかキレイだと思うのは私だけでしょうか?

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【なんだかきれい】

養生シートの掛け方にはこだわりがある、と調査員から聞いて、納得!

発掘現場事務所では、見に来てくれたお客さんや作業する人が気持ちよく現場で過ごせるようにといつも気配りを欠かしません。

そして、養生シートを含め、この土嚢(どのう)も現場には欠かせないアイテムです。

IMG_0009.JPG【土嚢置き場】

土嚢はすべて作業員が作成します。

袋の中に掘り出した土砂を詰めて、用途に応じて重さや大きさを調整しながらたくさん作ります。

土嚢はシートを止めるおもり、土砂や水を止める仕切りはもちろん、階段にも利用されます。

IMG_0017.JPG【至る所に土嚢の階段が】

より危険な場所は網と土嚢で石垣の崩れを防止しています。

IMG_0019.JPG【天守台西側より 網部分】

大きな石が落ちてくるかもしれない危険な現場!

駿府城の発掘は、調査員と長年現場を支える発掘作業員達の知恵と工夫で日々進んでいきます。




〇年末年始の休場日のお知らせ〇

 天守台発掘調査現場見学ゾーンと「発掘情報館きゃっしる」は、

平成29年12月29日(金)~平成30年1月3日(水)の間、休場いたします。

公園内の東御門・巽櫓、坤櫓、紅葉山庭園も同じ期間中、休館となりますので、よろしくお願いいたします。

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