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文化財ブログ

2017.02.10古の三保松原のこと、龍の松に聞いてみよう

樹木の年輪から昔のことがわかる、法隆寺の柱の年輪を調べたら新たな事実が!という話、ご存じの方も多いかもしれません。

三保松原神の道「龍の松」の年輪を調べた結果について、来る2月19日に報告会があります。

樹齢を発表します.jpg

そもそも年輪とはどうしてできるものなのか、みなさんご存知ですか。

上の写真の中で、龍の松の円盤を取り囲む立方体、実はマツとバウムクーヘンが入り乱れているのですが、お気づきでしょうか。質感で見分けられるとは思いますが、縞模様に注目してください。

バウムクーヘンは、芯を回転させながら、生地をかけて焼いて、生地をかけて焼いて、をくり返すことで、よく焼けた茶色い部分とその内側の肌色の部分との縞模様ができるお菓子です。その断面の縞模様が木の年輪に似ているので、バウムクーヘン(ドイツ語で「木のケーキ」)と呼ばれるようになりました。

年輪ブログバウムクーヘン.jpg

木の幹も、バウムクーヘンと同じように、葉っぱで作った栄養を、注いで太って、注いで太って、を繰り返すことで大きくなっていきます。

年輪ブログ年輪.jpg

そして、木の幹もバウムクーヘンのように層の外側が茶色くなりますが、焼いているわけではありません。では、なぜ茶色と肌色の縞模様ができるのでしょうか。

年輪ブログ早材晩材.jpg

春から秋にかけて、葉っぱで作った栄養が幹に来て、たくさんの管状の細胞を作ることで幹が太っていきます。春から夏にかけての前半は、トイレットペーパーの芯のような、穴が大きくて薄っぺらの管ができます。夏から秋にかけての後半は、チクワのような、穴が小さくて厚い管ができます。前半のトイレットペーパーの芯のような部分は、密度が低くて肌色にみえます。後半のチクワのような部分は、密度が高くて茶色に見えます。

さて、バウムクーヘンは、お菓子職人さん熟練の技で、均等な幅の年輪模様ができています。しかし、実際に生えている木は、毎年の幹の太り具合が同じになるようにという調整をしていません。たくさん栄養ができたらたくさん太り、栄養が足りないときはあまり太らない...木は歩けないので、毎年の環境に年輪の幅が大きく左右されます。その、環境の影響をダイレクトに受けている年輪幅から昔の環境を知るのが、年輪年代学です。

それでは当日お楽しみに!

『年輪から三保松原の歴史を知る~「龍の松」の年輪年代解析~』

講師:東京農業大学 桃井尊央 助教

日時:2月19日(日)13:30~15:30

場所:東海大学三保研修館(しずてつジャストライン:東海大学三保水族館下車)

   無料駐車場もございます。

申込方法:静岡市コールセンター(054-200-4894)で申込受付中(定員100名)

参加費:無料

多くの方のご来場をお待ちしております!

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