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文化財ブログ

2017.01.06これで発掘調査がまるわかり!?発掘コラム①

駿府城跡天守台発掘調査では、常に現場を公開していますが、どのような作業を何のために行っているのか分からない方も多いと思います。
そこで、考古学の知識や作業方法などを紹介する「発掘コラム」を不定期連載します。
第1回目は「トレンチと土層」です。

遺跡の発掘調査をする時、地表面の観察に加えて、地面の下の様子を調べるために、トレンチという溝を掘ります。(トレンチのサイズは様々ですが、幅1m前後のことが多いです。)

【天守台の上に掘ったトレンチ】

IMG_0578.JPG

掘ったトレンチの断面を観察し、土の重なり方を調べます。この土の重なりを土層(どそう)と言います。(地学では地層と呼びます。)土は順に上へ堆積していくため、下の方が古い時代の土になります。
建物を建てるために穴を掘るなど、人の手が加わると土層の断面にもその痕跡(遺構)を見ることもできます

【土層断面の模式図】

断面模式図.png
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が一番古く、その上にが被さります。
その後の時代に穴が掘られて、その後が被さります。
そして、が覆い被さります。

発掘現場では、土の質(粘土・砂・礫など)や色、固さや混ざっているものなど、土の持っている情報を観察して、層に分けています。

下の写真は発掘現場の一部です。白い線で土層の重なりを示していますが、土の違いがわかりますか?

P1020443.JPG

こうした観察を基に、後の時代に被さった黒い土を取り除き、天守台の内側に敷き詰められた栗石の層まで掘り進めている様子です。

IMG_0776.JPG

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