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2016.03.30企画展「廿日会祭と稚児舞」 ここが見どころ その4 鉾が動く!

静岡浅間神社で注目すべき祭りは、廿日会祭だけではありません。

       

初申祭(はつさるさい)、三月会(さんがつえ)、流鏑馬(やぶさめ)など、

大変重要な行事が、いくつも伝承されてきました。

企画展では、静岡浅間神社に残る江戸時代の祭礼図を一挙大公開!

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ここでは、そのうちの

初申祭祭礼図の一場面を紹介しましょう!

          

初申祭は、浅間神社の祭神である

木之花咲耶姫命(このはなのさくやひめのみこと)が、

4月と11月の初未の日に賤機山の中腹にある

山宮(現在の麓山神社)まで出かけて行き、

翌日の初申の日に戻ってくるという行事です。

      

その初申祭の祭礼図に描かれているコレ!

IMGP2667.JPG

      

なんだかわかりますか?

        

房状の紙垂(しで)に覆われた鉾(ほこ)です。

房の下からは足が見えていますので、

中に人が入っているのがわかります。

        

当時の古文書と照らし合わせて、この祭礼図を見てみると、

この房の中に神様を籠らせて移動していたことがわかります。

              

京都の祇園祭の山鉾巡行のように、

鉾は各地の祭りで大切な役割を担ってきました。

浅間神社でも、かつてはお祭りで「鉾が動く」ことが特徴とされていて、

各地の浅間神社で同じような行事が執り行われていたようです。

        

ちなみにこの初申祭、今は廿日会祭の中で行われています。

毎年4月3日の昇祭で木之花咲耶姫命が麓山神社に出かけ、

4月4日の降祭で、浅間神社に戻ってきます。

祭の規模や形は、江戸時代と様変わりしていて、

鉾も出ませんが、

各地の浅間神社で伝承が途絶えている中、

静岡浅間神社では、今もこの伝統行事を守り続けています。


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