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2015.08.02静岡市文化財展の展示のみどころ(4) 阿僧遺跡

静岡市埋蔵文化財センターで8月16日まで開催中の「平成27年度静岡市文化財展」の展示のみどころについて、埋文ぼうやと紹介しています。


埋文ぼうや.pngのサムネイル画像逆さまに埋められた土器の写真がありますね。


調査員S  清水区由比阿僧にある阿僧(あそう)遺跡は縄文時代の集落の跡で、今回「()(がめ)」とよぶものが見つかったん
     だ。底の部分が抜かれた深鉢形土器の口を下にして土の中に()めて、その中にソフトボール位の()り石
     が入っていたんだ。


P7280500.JPG<埋め甕として使われた土器と中に入っていた石>


調査員S  「()(がめ)」は、赤ちゃんがお母さんのおなかの中にいるときに栄養をとるための胎盤(たいばん)を、(つぼ)に入れ
     て、家の出入り口付近の土の中に()めるという民俗の例があるので、縄文時代中期によくみられる「埋
     め甕」もそのように使われたのではないかという説もあるんだ。わざと土器の底をぬいて、天地を
     逆にして()めるという行為は、やはり(いの)り、まじない的な意味があったのではないかと思うよ。


埋文ぼうや.pngのサムネイル画像今回の調査では何がわかったんですか?


調査員S  今回は阿僧遺跡の南のはしで発掘調査が行われて、阿僧遺跡の範囲がさらに南側に広がっていることが
     わかったんだ。そして土器のほかにも木の実をつぶすための大きな石皿や磨り石、()りのための石の(やじり)
     や石器も見つかり、当時の生活の様子もわかったよ。


P7190479.JPG阿僧遺跡出土資料展示風景

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