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文化財ブログ

2015.02.05文化財防火デーにあわせて、仏像の扱い方講習

1月26日の「文化財防火デー」にあわせて、

各地で消防訓練が行われました。

        

文化財防火デーは、昭和24年1月26日に

法隆寺金堂の壁画が焼失したことをきっかけに、

定められたものです。

       

写真は、静岡浅間神社の消防訓練の様子です。

IMGP1658.JPG 

神社の職員で編成された自衛消防隊、

静岡市消防団、地域住民の皆さんが参加して、

初期消火、文化財の救出、

消防団による放水訓練が行われました。

       

一方、清水区大内の霊山寺(れいざんじ)では、

文化財課で企画した文化財サポーター入門講座の一環として、

災害時のレスキュー活動を視野に入れた

仏像の取り扱い方法に関する講習を行いました。

             

霊山寺には、静岡県の有形文化財に指定されている、

本尊千手観音立像と二十八部衆、

風神・雷神の木像が安置されています。

IMGP7977.JPG

霊山寺仏像群の修復を手掛けた

吉備文化財修復所の牧野隆夫さんを招き、

まずは、仏像の種類や構造について、基礎的な知識を学びました。

IMGP1735.JPG

        

次に実践です。

     

文化財サポーターはもちろんのこと、

地元の方々ですら、

本物の仏像に触れることはなかなかありません。

       

指定されていない仏像を使って、

実際に、持ち運びの練習です。

      

仏像の構造や状態の確認。

IMGP1747.JPG

腕や手先など、飛び出したところが

一見、持ちやすそうですが、

持ち運びをする際には、

最も外れやすい部分なので、注意が必要です。

     

赤子を扱うように、

優しく、自分の体に寄せて運びます。

IMGP1748.JPG

IMGP1754.JPG

IMGP1763.JPG

光背などの付属品も同じです。

IMGP1779.JPG

なるべく複雑な構造をしている箇所には

触れないようにします。

      

霊山寺は大内山の中腹にあります。

いざ災害に見舞われた際に、

麓に住まわれている地元の人々が、

どうやって仏像群を救出するのか。

     

沢山ある仏像をすべて運び出すのに、

どれくらいの時間がかかるのか、

     

一時保管場所として、どこが考えられるか。

     

実際に扱ってみることで、

さまざまな問題を考えるきっかけとなりました。

    

ちなみに、

二十八部衆と風神、雷神像は、

鎌倉時代から江戸時代に造られたもの。

3月1日(日)に行われる霊山寺の星祭で、

拝観することができます。

          

ぜひ訪ねてみてください。

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