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2014.11.20サチ祝い~山の恵みに感謝する猟師さんの宴~

このブログで、何度も紹介している井川地区は、狩猟も盛んな地域です
主な獲物は、鹿と猪。
昔は熊を専門に狙う猟師さんもいました。

体つきが厳つくて、一見怖そうだけれど、心根の優しい
宮沢賢治の「なめとこ山の熊」に出てくる淵沢小十郎のような、
寡黙な猟師さんにお会いしたこともあります。

11月15日は、狩猟解禁日です。

獲物を追い立てる犬たちも準備万端。

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猟には気の合う仲間で入ります。

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この猟師さんたちは、
8人の仲間でチームを組んでいるそうです。
それぞれにイヌカケ、トヤマチといった役割があります。
山に入って犬と一緒に獲物を追い立てるイヌカケは、若手に任せ、

猟師仲間のリーダー格は、トヤマチの担当です。

IMGP2918.JPG

トヤマチは、犬に追い立てられて、
河原に逃げ込んできた鹿を狙います。
鹿は逃げ回って身体が熱くなると、
山を下って河原に降りてくる習性があるのだそうです。

トヤマチのすぐそばに、鹿の足跡がありました。

IMGP2908.JPG

この周辺で確かに鹿が行動している証です。

今でこそ、無線機で仲間と連絡を取り合いながら、
獲物の動きを確認し合うことができますが、
無線機がないころは、鹿の足跡、
そして鹿の習性や周辺の地形などを見極めて、
トヤマチの場所を決めていました。

長年の経験と勘が求められる持ち場なのです。

       

猟を終えて集落に戻ると、

すぐに獲物を解体して、
サチ(幸)祝いをします。
山の神さんに感謝して、獲物をいただく、
猟師さんたちの宴です。

IMGP3035.JPG

かつては、
まずは山の神に獲物の心臓を供えて、
祈りの言葉をささげるなど、
特別な儀礼もありました。

井川には、猟師さんがやっている民宿もあります。
山の話を聞きながら、ジビエ料理を楽しむこともできますよ!

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