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文化財ブログ
2014.10.02建穂地区で仏像の修復報告会がありました。
9月28日、建穂公民館で地元主催の仏像修復完成報告会がありました。
「建穂」と書いて何と読むかわかりますか?静岡市にお住まいでない方には、なかなかなじみがないかもしれません。「建穂」と書いて"たきょう"と読みます。安倍川の支流、藁科川沿いの地域です。
かつてこの地に、建穂寺(たきょうじ)という大きなお寺がありました。久能寺(くのうじ、現在は久能山東照宮が鎮座しています)と並び称された駿河を代表する古刹(こさつ)でしたが、明治初期に焼失し、そのまま廃寺となってしまいました。
しかし、建穂寺に祀られていた仏像は、焼失時に地元の人々が救いだし、今も60体以上の仏像が地元の方たちの寄付で建立された建穂観音堂に安置されています。
今回修復したのは、この仏像群のうち、静岡市の有形文化財に指定されている伝大日如来坐像です。
写真は、修理前の伝大日如来坐像。平安時代後期の作品です。
大日如来坐像の前に「伝」とつけるのは、像の形から推測すると、もともとは別の仏像だった可能性もあると考えられるからです。
像の表面の仕上げは後世に施されたものです。
今回の修復事業で、その仕上げを取り除いたところ、制作当初の何とも言えない美しい表情がよみがえりました。
ちなみに、頭部と胴体は制作当初のものですが、そのほかの両腕と脚部は、後に修理されたものです。
仏像修復の報告会には、修理を担当した吉備文化財修復所の牧野隆夫氏が招かれました。
牧野氏は、建穂に残る仏像群のうち、県指定文化財の不動明王像2体、市指定文化財の仏像2体の修復作業を手掛けました。
建穂寺仏像群の修理の経緯とその修理方針について説明があった後、今後の仏像保存のあり方を考える参考として、東北や静岡県東部における様々な事例を紹介してくださいました。
建穂寺は廃寺となっていますので、当然檀家はなく、建穂地区の皆さんが協力し合ってこれらの仏像群を大切に守り続けています。
「仏像の保存は、ただ古いものを守るためだけにあるのではない。未来へとつなぐ取り組みであり、これからまだまだその存在を活かすことができる。地域の将来像に位置付けて、継承のあり方を構築していく(活動していく)ことが大切」。
力強い牧野氏の言葉が、保存活動に取り組んでいる地元の皆さんの励みになったことと思います。